Day4-1.「信じられないほど甘いマンゴー」

 アーティスト・イン・レジデンスは今日の夜から始まる

 午前10時から目的地であるレジデンス先に、ついに向かう予定になっている。すでに滞在4日目だが、実はまだ目的地に到着していない。つまり、今回のアーティスト・イン・レジデンスはまだ始まっていない。今日まで滞在した、スラバヤのSERBUK KAYUから車で3、4時間かかると聞いた。

 実は、レジデンス先の候補地は2か所提案されていた。インドネシアに来る前に、候補の中から自分で1か所を選んだが、まだどんな場所かはあまり分かっていない。滞在先の情報には目を通したが、滞在先の生活環境が分からないのだ。Google Mapで予めどんな場所かは確認したが、スラバヤとは随分違う雰囲気なことだけは分かった。

離れがたい気持ち

 SERBUK KAYUには2泊しかしていないが、毎日暑いので、昨日は3回も水を浴びた。だから、最初は驚いていトイレと風呂にも、せっかく慣れてきたのに、また別の場所に移動しなければならない。昨日は初めてインドネシアの酒も飲んだりして、SERBUK KAYUのメンバー達と楽しい夜を過ごしたが、今日の夜には別の施設に到着している。今日から滞在する施設にはWi-Fiが無いと聞いているので、それが気がかりだ。

バイクの後ろに乗って朝ごはんに行く

 10時の出発までには時間があったので、バイクの後ろに乗せてもらい朝ご飯を食べに行った。ヘルメットもかぶらず乗るので、危ない気がするが風が気持ち良い。日本ではこんなことをすると捕まってしまうので、こういうことも貴重な経験だ。車よりバイクの方が多いし、バイクは二人乗りしている姿をよく見かける1。自分が同じことをさせてもらえているのも、現地に来た感じがして嬉しい。

朝食にマンゴー
食堂の様子
お店にはたくさんの食べ物が用意されており、その中から自分で欲しいものを選ぶスタイルだった。連れてきてくれた人のお勧めを注文した。
Pecel
Pecelという食べ物。ココナッツの味がするソースとアーモンド?がそえられている。僕はチキンを選んだが、卵や魚も選べるようだった。アイスティと合わせて二人分で28000ルピー。

 お店に到着。ココナッツの風味が効いたスパイシーな朝ごはんだった2。僕は辛い食べ物が好きなので美味しく食べているが、それでも毎回スパイシーだから少しお腹の調子は悪い。食事を終えて、店から出る時、「大学生の時、毎日来ていたお店だ」と連れてきてくれた彼が言った。なるほど、僕が今初めて食べたこの食べ物は、彼にとっては懐かしい味なのだと想像した。

綺麗に並んだマンゴー
朝の食事代を僕が払ったので、代りにマンゴーを買ってくれた。たぶん1つ5000ルピー。手前に並んでいるマンゴーはしぼんでいたので、奥側に並んでいる新鮮なものを選んでいた。
マンゴーをカット

 バイクに乗って帰る途中。マンゴーがキレイに並んでいる店があったので、バイクの後ろに乗りながら興味を示すと、わざわざUターンしてくれた。マンゴーの選び方は良く分からないが、明らかに悪くなっているものも並べられている。店主と彼が会話しながら新鮮なものを選んでくれていた。部屋に戻った後、皮をむいて食べる。物凄く甘い。マンゴーという食べ物が、自然に育つというのは信じられない奇跡だと思った。


  1. インドネシアの全世帯で、バイクの保有率が85%もある。
    参考:インドネシア総合研究所 ↩︎
  2. ぺセル(Pecel)という伝統的な食事だったようだ。ビーナッツソースがかかったこのようなスタイルの食事は、滞在中何度も食べていた。1000年以上前の史料にも、この食事のことが書かれている。参考:Wikipedia(Pecel) ↩︎