7時頃起床。ベッドのシーツなどが汚く、砂なども落ちていたり、なんとなく身体が痒い感じがする。腹は減ったが何も食べるものを買っていない。コーヒーだけは用意していたが、鍋とかコップも少し汚れているので、やめておいた。ミネラルウォーターは飲めるものを用意してくれていたので、昨日のペットボトルに入れて飲む。
外に出てみると、鶏の雛がぴよぴよしていたり、ヤギがメエと言ったり、牛の声が遠くから聞こえた。ほのぼのを通りこして、今から自分に何ができるのか不安な気持ちになる。ここは、漁師街で、天日干しの煮干しなどがたくさん作られている。午前中だと作業風景を見れると昨日聞いていたから、カメラを持って出かけてみた。ついでに朝ごはんがどこかで食べられればと思ってお金も持って出る。昨日行った海沿いのカフェでコーヒーが飲めることを期待していたが閉まっていたし、レストランのような場所も見つけることができなかった。近くの学校もまだ活動していないようだった。それから、もしかしたら、泳ぎたくなる可能性も考えて、一応水着を着用していたが、船の修理をしている人たちや、漁の網を直している人たちがポツポツいる中、一人怪しい外国人が泳ぐのは目立ちすぎると感じ辞めておいた。昨日到着したばかりなので、分からないふりをして無邪気に目立つという方法もあったのだろうが、僕にはその勇気はまだなかった。


しばらく歩いていると、天日干しの作業をしている人たちを一か所見つけることができた。僕は言葉が何も分からないので、目が合ったら笑顔で返すことを心掛けた。作業をしている人たちは笑顔で返してくれたので、数歩近づいてみて写真を数枚撮る。何か声をかけられたが、何も分からないので笑顔をつくってバイバイと言ってその場を離れ散歩を続けた。
散歩の道中では、鶏がたくさん歩きまわっていて、みんな放し飼いになっている。人間よりも鶏のほうがよく出会うし、数もきっと多い。ほとんどの家の庭には何匹も鶏がいるが、囲いは一切なく、道路も縦横無尽に横切っているので、放し飼いになっていることは間違いない。しかし、そうすると、どれが自分の鶏か分かるはずがないし、いったいこの鶏たちは誰の鶏なんだろうかと昨日から気になっていた。滞在先の庭にも鶏が棲息しているが、スタジオのメンバーの誰かが飼っているようなそぶりは無い。一匹の鶏が妙な体勢になっていた。クチバシを地面に刺して、お尻を上げてうずくまっているから、もしかして卵を産む体制なのではと思い期待して見ていたら、Ayamと後ろの方から女性の声が聞こえた。Ayamが鶏だということは知っていたので、僕もAyamと返し笑顔をつくった。彼女も笑顔をつくり、それを見て僕はその場を離れた。一瞬の出来事だったし、これが何の挨拶だったのか、まだよく分からない。それからあの鶏も一体何をしていたのか観察を続けることができなかった。

帰り道に庭先で洗濯物を干している家がいくつかあった。僕も、ベッドのシーツを洗って、まずは少し生活をしやすいようにすべきだなと思った。土間の横に井戸水が出る場所を見つけたので、そこで湿ったシーツと枕カバーを手洗いして干した。少しは快適になればと思う。それから蚊が多いから、香取線香を買いに行きたいと午後、インポー(Prewanganのリーダー)に伝えてみよう。
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