そもそも、今回のアーティスト・イン・レジデンスって何?
今回参加しているレジデンスプログラムは、僕の他に今井さつき氏、坂崎隆一氏の合計3名の日本人が参加しているプログラムになっている。昨日まで滞在していたSERBUK KAYUのメンバー達がレジデンスの手配やビエンナーレの運営などをしてくれているのだが、参加する3名の日本人はそれぞれ別の場所でレジデンスをすることになっている。このレジデンスプログラムの目的は、来年行われる東ジャワビエンナーレ1に参加するために、作品制作のためのリサーチ等を行うことだ。
僕はここで何をするか
そして、僕が滞在するのは、東ジャワのソボントロ村にあるStudio Prewanganだ。ここで、コラボレーションの方法を探したり、地域の様子などからできそうなことを探す。僕はまずは友達をつくれたらなと考えている。それから、「僕に与えられている条件」を探すつもりだ。自分に何ができるか、何をして良いか等をまずは探りたいのだ。あらかじめ歴史等を深く調べて来るべきだが、それでは無駄が少なくて味気ない。最初は村の空気や人々の表情から感じ取るスタイルでリサーチを進めたいと思っている。調べることは後からいくらでもできるが、あまり準備しすぎると、先入観で現地の人と同じ生活ができなくなる恐れもあるので、バランスが難しいのだ。また「僕に与えられている条件」は、友によって広がることもあるので、現地で人と顔を合わせ続ける必要がある。それが、僕の滞在制作のやり方だ。
ビエンナーレの運営から提案されていた滞在先は2つあった。その中からPrewanganを選んで滞在の許可を得てもらったのだが、僕がここを選んだ理由は、スタジオのリーダがやっているinstagram2を見たときに、ビーチに落ちているウンコを写真で撮っている謎のプロジェクトがあったからだ。写真からは、何を意図しているのか全く分からなかったが、instagranを見て何となく面白い人たちなのではと予感して選択した。僕のこうしたフィーリングは、当たることが多いので大事にしたいと思っている。
ついに目的地に到着!滞在制作の始まり

今日は午前中にスラバヤを出て、車で移動してきたが4時間以上かかった。目的地に近づくにつれ、どんどん田舎になっていき、牛やら鶏やらがあちこちにいるし、凄いところに来たなと感じた。到着してすぐに、Prewanganのリーダーであるインポーとハイタッチ。周りにいた人がその瞬間を撮影してくれていた。後から思えば、初対面でハイタッチというのは、僕の人生の中でもだいぶテンションが高い。他のPrewanganメンバー達も迎え入れてくれ、スタジオ前にある庭でしばし歓談をした。

数時間歓談した後、海辺にあるカフェへ移動し歓談を続けた。普段はスタジオではなく、このカフェで集まると言っていた。カフェの目の前はビーチになっていて、カラフルな船が浮いているのが見える。放し飼いの鶏がすぐ横にいるし、なんとものんびりした雰囲気だ。到着したときにメンバーの紹介をされたが、日本では聞きなれない名前ばかりで覚えるのがたいへんだ。Prewanganのメンバーは多そうなので、すぐにメモをとった。今はまだ覚えることができていないが、名前を覚えることから本当のコミュニケーションは始まるので、早く覚えないといけない。

周りがすっかり暗くなり、ここまで車で連れてきてくれたSERBUK KAYUのメンバー達はスラバヤへ 向けて帰っていった。SERBUK KAYUのメンバー達とは、この2日間で出かけたりして、仲良くなってきた所だったから、車を見送った後少し心細く感じた。彼らを見送った後、暗い田舎道をPrewanganメンバー達の背中を見ながらスタジオに戻っていった。
- 今回僕が参加するのは、第11回 東ジャワ・ビエンナーレだ。2005年から2年に1度の間隔で開催されている。東ジャワのことをJaTim(Jawa Timur)と言うので、英語表記だと、Biennale JaTim 11となる。第11回の展示テーマは「沿岸域の回復力」となっている。
Biennale Jatimウェブサイト ↩︎ - Prwanganのinstagram https://www.instagram.com/prewangan_/
リーダであるインポーのinstagramhttps://www.instagram.com/impoesabollah/ ↩︎