
部屋の中に砂が溜まっている所があるなあと、昨日から思っていたが、近づいてみたら蟻が巣をつくっていた。タイルとタイルの間に穴を掘っていて、放っておくと建物が傾いたりするのではと想像しながら蟻を観察。しばらく観察していたら、今日も午前10時頃にインポーから「コーヒータイム?」と連絡が入った。
漁師町の雰囲気は世界共通なのではないかと思う
昔、長崎の伊王島という島で滞在制作をしたことがある。今では、伊王島には橋が繋がってから、ずいぶん時が経ったので、環境が変わってしまっているだろうが、当時は船に乗らないと行けない場所だった。ソボントロ村も漁村だが、伊王島も漁を生業としている人達がたくさんいて、似た雰囲気があった。人と人との距離が近く、地域の結びつきが強い。カトリックを信仰している人達がいて、信仰が生活の中に根差している点でも、今ソボントロ村で経験していることと共通点があったなあと思っている。伊王島では、日本語が通じるから一人で飛び込みで話しかけることができたし、その都度みんな良くしてくれて、時折地域の行事などにも呼んでくれたりしていた。もう10年以上前のことだが、ここソボントロ村の雰囲気は、あの時のことを思い出す。僕はインドネシア語も、ジャワ語も全くできないので、現地の狭いコミュニティに外国人が入っていくことは難しいことのはずだが、インポーが毎日カフェに誘ってくれることで、毎日のように新しい出会いを提供してくれているから、とても助かっている。

イスラミックスクールを訪問することになったらしい
コーヒータイムではいつものように、何の話をしているのかよく分からないことが多いのだが、今日も、いろいろな話をしているようだ。急に僕の話をしている様子になったから、何を話しているのかインポーに尋ねると、イスラム教のことを学ぶ中高一貫校の校長先生が、僕を学校に招待したいという話をしていたようだった。Prewanganのメンバーで、先日自宅にある楽器などを見学させてもらったパペットマスターは、学校で美術を教えている先生でもあるということを知った。このパペットマスターが昨日イスラム教の学校を訪問した際、校長に僕のことを話したら興味を持ったらしい。どういうことなのか全体はよく分からなかったのだが、コーランを学んだり、アラビア語や英語、日本語なども学ぶイスラミックスクールの校長が、日本に興味があり、日本に行ってみたいらしい。なんだかよく分からないが、もし学校を訪問すればイスラム教のこともいろいろ教えてくれると思うと言っていた。今日は金曜で、おそらく月曜に訪れることになりそうだ。僕はイスラム教徒ではないし、悪い生徒だと思うが、本当に行っていいのかと聞いたが、問題ないと言っていた。
ICHIROの意味
僕は海外では、名前をイチロウと言っている。長いと覚えるのが大変だし、野球のICHIROを知っている人は多いので、覚えてもらいやすいと考えたからだった。覚えてもらいやすいほうがコミュニケーションがしやすくなるだろうし、僕も相手に近づきやすくなる。だから、自分の名前を、寺江とか、圭一朗で自己紹介したことは今まで一度もない。
また、中国では、イチロウという音が、一斤肉(肉500gという意味)という音に似ていることから、時折そういう名前を使っていた。韓国では李(英語表記だとLee)という苗字が多いのだが、これは韓国語では이と発音する。それで、韓国ではイ・チロの、イが苗字のように読めるため、チロさんと呼んでくれる人がいたりする。
それで、インドネシア語でも特徴的な意味がイチロウという音に無いか気になって聞いてみた。すると、随分悩んだ末に、植えるという動詞の複数形だという説明をしてくれた。インドネシア語では、あまり面白くない名前のようだ。
金曜の礼拝は特別
今日は金曜日だ。金曜日の昼12時からの礼拝は、イスラム教の男性にとって大事な時間だそうだ。普段は自宅で礼拝する人が多いし、礼拝しない人もたくさんいる。しかし、金曜の昼12時は、週に一度、男性は「必ず」モスクで礼拝をしなければならないらしい。それで、今日のコーヒータイムは、いつもの半分以下の一時間半くらいで解散。みんな礼拝のために帰っていった。モスクに行くかと聞かれたが、イスラム教徒ではないから、行かないほうが良さそうだと思うと言って、スタジオに戻ってこの滞在記を書いている。(PM12:12)