
12時前後にインポーが部屋に来て、コーヒーに行くけど、来たかったからおいでと言った。僕はちょうどインスタント麺を食べていたから、分かったと言って部屋に残る。今日は少し時間が取れていたから、午前中に数日前の滞在記も書くことができた。しばらくして、カフェへ移動。今日はどんな予定だと聞かれ、前にアラビア系のイスラムの中学校に招待された話があり、今日行く予定になっていると言ったら、連れて行ってくれる人は仕事だから中止になったと聞いた。それで、今日は何をするか聞かれたのが、特にない。たぶん、アイデアなどを考える時間必要だと言った。少し、自分の時間が必要かどうかなど聞いてくれた。しばらく考えて、庭にいる鶏は、Prewanganのものか聞いた。鶏が気になっていることは滞在の数日後には言っていたのだが、まだプランは何もはっきりしていないのでそれ以上は話していなかった。鶏にはいくつかの種類がいる。ワイルドチキンと、ファイターチキン、それからノーマルチキンだ。ワイルドチキンは少し小柄で、黒っぽい羽を持っていることが多い。ノーマルは太りやすく肉や卵のために育てられる。ファイターチキンは鶏同士を戦わせる競技のための鶏だ。たまに、いかにも卵を産みそうな白い鶏も歩いているが、ほとんどはシャモ系の鶏に見え、全部戦えそうな鶏に僕には見えるため、どれがどれだかあまり見分けがつかない。オスかメスかは何となく分かるが、トサカが小さい品種もいるため、僕には判別がつかない場合が多い。それぞれに本当の名前はあるはずだが、英語で話すときにワイルドとかファイターとかそういう言い方しか僕らにはできない。僕はワイルドチキンと説明されたので、野生の鶏だと考えていたが、どうやら飼われている。飼われているが放し飼いにされているようだ。しかし、全ての鶏は放し飼いにされているから、ワイルドチキンとは小柄だし地鶏のことかなと予想した。鶏はどう見ても自由気ままに生きているように僕には見え、誰かが飼っているようには見えないので、どういう行動を鶏がとっているか気になっていた。それで、その場にいた人に話をつけてくれ、17時に鶏を飼っている人の家を訪問することになった。
そのまましばらくカフェへ滞在。当たり前だが、僕を気に掛ける時以外は、ずっとインドネシア語なので僕には全然分からない。カフェで転がった。若干眠い。隣でチェスをしたり、モバイルレジェンドをしたりしている。僕も誘われたから少しゲームをしてスタジオへ戻った。
17時。鶏を見学へ行く。鶏のことについてなど、いくつか聞いたが、単に飼われているだけだし、なかなか作品のテーマにすることが難しい気がしてきた。僕は鶏の飼われ方が、ここの特徴を表わしているように見えるのだが、それと猫の放し飼いの違いが分からなくなってきた。飼われている鶏は15メーターくらいの範囲で常に行動しており、縄張りのような意識があるようだった。決まった時間には寝床に帰る。それまで地面を歩き回っていた鶏たちが17時頃になると一斉に木に登って寝る準備を始めていた。ここで飼われているワイルドチキンは木を家にしている。寝る時間になると一斉に木に登っていった。木で寝る習性があるというわけではなく、少し高い場所を選ぶ習性があるようだ。昔飼っていた猫もそうだったが、ある範囲から向こう側へは行こうとしなかったし、寝る時はちゃんと自分で家に帰っていた。ここの鶏も似たような行動をおそらくとっている。他にも鶏に関することを聞いた。地鎮祭や葬儀で鶏が必ず使用されるそうだ。地鎮祭では、柱や玄関、屋根など家の重要なパーツを作る時には毎回行われるそうで、調理された鶏等を振る舞うそうだ。また鶏の頭や手羽先、足などを地面に捧げる。それから、葬儀では参列者は生きた鶏を一匹持っていき、墓地に放つという。その鶏たちはフリーチキンで、持ち帰ったりする人もいるらしい。その鶏たちはどこを家にするのか、また誰の鶏になるのか気になってくるが、そういうことらしい。また、出産祝いでは男の子の場合はオスの羊が2匹。女の子の場合はオスの羊が1匹。頭を落として捧げられるという話も聞いた。
いくつかの儀式の話を聞いて興味深く思ったし、鶏の飼われ方がここの社会を表しているという僕の勘もそんなに外れていないような気もした。17時半頃になると、モスクから歌が聞こえてくる。鶏たちが寝床につくため一斉に家に戻った。集まってくれた他の皆も礼拝等のためにそれぞれ自宅へ戻っていく。これは…何かあるはずだと改めて思う。しかし、だからと言って作品にできるアイデアはまだない。
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