朝。洗濯。足で踏んで洗う方法は、小学校の時の家庭科の授業で習った。あの先生は、年配の先生で、当時の僕の目からはおばあちゃんに見えたし、けっこう怖い人だったような記憶がぼんやりとある。桶に各班の人数分の昨日の靴下を入れ、皆で踏んで洗った。しばらくすると水が灰色になって、こんなに濁るのかと思った記憶がある。あの人の授業は、今でも時折役に立っているし、良い先生だったなと思う。
朝8時頃。学校の前の様子を少しだけ見に行ってみた。今日は、インドネシア全土で地方議員等を選ぶ選挙があり、近くの学校がこの地域の投票所になっていたからだ。数日前から、Prewanganのメンバーの一人が、選挙のための投票用紙にサインをしたり郵送したりして準備していた。彼は投票所で、投票用紙などを管理する仕事を任されている。先日、彼が作業をしているのを見かけたときは、500枚近くの投票用紙にサインをしていて、明日郵送しないといけないからと言って眠そうな目をこすっていた。サインの意味を聞いたら、このサインがないと無効票になるとのこと。投票用紙を複製したりして、2重投票するのを防ぐためと思われる。コンピューターで管理されているのではなく、人力で行われているので大変そうだが、村の知り合いが投票用紙を管理しているので、一票の重みが違いそうだと思った。

10時半頃。インポーがスタジオに来る。投票はもう終えたらしい。コーヒーショップに行くというが、ここ2日間いつも行くコーヒーショップは閉まっていた。投票は故郷に帰ってしなければならないと前に聞いていたから、店の人も故郷に帰ってるのではと思い、そのことを尋ねたが、住所を移動すれば住んでいる場所で投票できると言った。話しぶりからは、仕事をしていたり、結婚して移動したりすれば、住所を移す人がいるというような感じだったと思う。店主はここで投票できるはずだよと言っていた。必ず住民票を移さなければいけないというわけでは無さそうだったが、移動届は出せるようだ。
今日はコーヒーショップは開いていた。二日間閉まっていたからなのか、いつもの倍くらいの人が店先でくつろいでいる。いつも見ない人もいる。いつもは離れてくらしているPrewanganメンバーの家族も来ていた。きっと投票のために来たんだなと思った。


僕は、いつもラージサイズのコーヒーを注文。何度もここでコーヒーを頼んでいるし、店主が毎回同じ言葉を繰り返し教えてくれるので、コーヒーだけは注文できるようになった。インドネシアのコーヒーは、細かく砕いた豆がそのまま入っているので、豆が下に沈むのを待って飲むか、すぐに飲みたい場合はソーサーに少しこぼしてからソーサーで飲む。飲んでいないときは、温度を保ったり、ゴミが入らないようにするために蓋をしたり、蓋が無い場合はソーサーを上に置いたりする。ソーサーには、だいたいコーヒーが注がれているので、こぼれないように上を向けてカップの上に乗せ蓋をするのが、ここの人達の普通の飲み方だ。だけど今日は、僕はソーサーを裏返しに置いて蓋をした。




ソーサーを裏がえしたら、LUCKY INDONESIAと書いてあるのに気が付いた。僕の滞在期間もそろそろ終わるし、この場所のことを思い出せるように、LUCKY INDONESIAをお土産に買って帰れないかと考える。インポーにこのカップを買いたいけどどこで買えるか聞いたら、たぶん1つでは売ってもらえなくて、たくさん買わないといけなくなるから、コーヒー屋の店主に聞いてみたらどうだと言う。
いくつかの単語を確認して、店主にたずねたら売ってくれた。
ラッキーだなと思った。
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