明日の飛行機で韓国に帰るため、スラバヤ行きのバスに乗った。車内の冷房が効きすぎなのと、乗る前に雨でびしょ濡れになっていたため寒い。やはり言われる通りに、着替えておくべきだった。約4時間かかる。
バスは到着時間も決まってないし、手を振って呼ぶだけなので、二車線ある道路の向こう側を通っているバスを止めるのは用意ではなかった。3台のバスを見過ごし、結局1時間半たった頃に、ようやくバスを捕まえることができた。バスに乗る前には、インポーやご家族、何人かの人達と挨拶をすることができた。最後には、今日初めて見かけた人がバスを止めてくれたのだが、彼のバスの止め方は上手すぎた。道の真ん中の方まで出ていき、バスを呼び止めたので、あれはなかなかできない技だなと思う。
バスの中で、Prewanganがある地域のことなどを考えた。僕は毎日の記録をずいぶんと書いてきたが、いろいろなことがあったために書ききれていない。僕が興味を持った、鶏やイスラム教、コーヒーショップから見える景色、人々等について、ほとんど触れてこれていなかったなと思う。今日でちょうど3週間だが、素晴らしい滞在になった。短い期間だったが、通常は3週間で経験できる経験ではなかった。僕はすでに2年韓国に住んでいるが、それを超える情報量があったと思う。これも全て、インポーやインポーの周りにいる仲間たちによるものだったなと、感謝の念を抱く。
バスに乗りながら、返信できていなかった友人に久しぶりにメッセージを送った。滞在の感想などを求められたが、一言では表せない。こういう場合の返答は、全体的な感想を言うべきだが、どう答えても欠けてしまいそうなので、しばらくバスの中で考えた。
それで、韓国に戻ったときに違和感と寂しさを呼び起こさせるのは、アザーンが聞こえないことかもしれないなということに気がついた。
モスクは、コンビニよりたくさん設置されているのではないかと思うくらいあるため、礼拝の時間になるとあちこちのモスクから礼拝を呼びかける歌声が一斉に流れてくる。誰かがマイクで歌っているのだが、お年寄りの声や女性の声、子どもの声など、いろいろある。最初は驚いていたが、1日に5回も流れていたので慣れてしまった。誰かの歌音が聞こえなくなるのは寂しく感じそうだなと思う。
イスラム教の1日5回の礼拝が生活に与えているリズムは、僕にはけっこう心地よいものだった。僕はお祈りをモスクでしたり、スタジオでしていたわけではない。だけれど、毎日夕方のマグリッドタイムを知らせるアザーンが聞こえてくると、インポー達は帰って行くから、あぁお祈りをする時間が始まったんだなと実感しながら過ごしていた。僕も必ずスタジオに戻り一人でパソコン作業をする時間になっていたが、今思えば、あの時間は僕にとってのお祈りの時間だったのかもしれないなぁと思えてきた。
コメント