現実界に戻る
ソボントロ村からスラバヤ。スラバヤからジャカルタ。ジャカルタからインチョンへと乗り継ぎ、家に到着した。バスや車、電車の移動、飛行機の待ち時間などを含めると、約24時間はかかった。

ジャカルタからはアシアナ航空でインチョンへ。機内で久しぶりに韓国語を聞いた。行きの機内ではインドネシアに向かっている実感がなかったが、韓国語を聞いて久しぶりに現実へ戻されたよ。
非現実界の人
機内では、「エルフ~サンタの国からやってきた~」1という映画を観た。途中で観ていられなくなり寝てしまったが、サンタに育てられた人間の話だった。大人に成長すると、次第にエルフ達と一緒に生活していられなくなり、人間界に行く。エルフ界でも、人間界でも住むのが困難な主人公が描かれていた。
明るい性格の主人公だったから、最後はきっと助けを得て人間として生きたのだろう。もし、エルフではなく、人間界で育った人間を描いていたら、単に悲劇にしかならなさそうだ。人間界の現実を生き抜くには、確かにあの主人公のように明るく生きる方が良いだろう。だけど、そんなに上手くいかないことも現実だ。
霊的な存在を信じて生きるジャワの人々は、現実と非現実の両方を感じながら生きているように見えた。彼らのように、非現実的な要素も少しは取り入れたほうが、現実は生きやすい場合もあるのかもしれない。エルフに育てられた人間が、結局最後にどうなったのか分からないが、見えないものを信じる力は、明るさに関係しているのかもしれない。と、無理に結びつけた。

到着すると、寒さで目が覚めた。北半球は冬である。
そして後日
インポーとはコラボレーションをしようという話をして帰国できていたので良かった。帰国して数日後に、僕のアイデアをインポーに伝えた。ジャワ島の人々が今も大切にしているお化けや霊のような、目に見えないものと、電子部品を使ったデバイスを組み合わせるというものだ。
インポーから、すぐに電話があり、一緒にやろうということになった。
Google翻訳などで出てこないので、帰国して随分経過してからようやく知ったが、Prewanganというのは霊媒という意味があるようだ2。奇しくも、僕の出したプランは、Prewanganが意味していたものと合致していた。
つづく