東ジャワでのフィールドワークの記録

作品制作のために東ジャワに滞在しました。2024年11月9日か11月30日までの滞在記録です。

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ジャワ島での滞在記録について

この滞在記録を書いている人

ムスリムスタイルのポートレート
プロフィール

寺江圭一朗。広島生まれ。ソウル在住。美術作家。2025年の東ジャワビエンナーレへの参加に伴い、東ジャワにあるソボントロ村で約1カ月の滞在制作をしてきました。https://www.terae.info/

お知らせ

コメント

 滞在を通して、イスラム教の生活に常に触れていました。礼拝のためのアザーンが毎日聞こえてくるため、自然と規則正しい生活になったように思います。また、礼拝の時間は、必ずこの滞在記の記事を書いていました。そのため、滞在記を書いている時間は、いつも礼拝の雰囲気がスタジオの中にまで入ってきて、僕も書きながら礼拝しているような気分になったものです。

 この村を特徴的にしているのは、このようなイスラム教の雰囲気だけではありません。一神教のイスラム教に、ジャワに伝わって来た宗教が混ざっていることにあります。カピタヤンという一神教の自然信仰やヒンドゥー教の影響が今も残っているのです。都会で暮らす人々が忘れてしまった、お化けや幽霊のような、目に見えない存在を感じながら生活している人々の営みはとても美しいものでした。日々の生活に節度があり、家族や隣人と助け合いながら生活している姿から、多くのことを感じました。

この滞在記録によく出てくる場所

プレワンアン(Studio Prewangan)

 滞在制作をしていた、Prewanganプレワンアンは、徒歩2、3分で海に行ける立地です。東ジャワ州 トゥバン県 タンバクボヨ郡 ソボントロ村に位置し、同じジャワ島にある、大都市のジャカルタ、スラバヤからは離れています。漁村なので、近くには魚を加工する会社がたくさんありました。長いビーチが続いており、海岸沿いでは、漁師が網を制作したり、船を修理したりしています。村にはモスクが数十あり、毎日あちこちからアザーンという礼拝を知らせる歌が流れます。

 Prewanganプレワンアンにはいろんな仕事をしている仲間がいます。彼らはいつでも協力し合える関係になっています。その姿を見て、コレクティブのイメージがONE PIECEになりました。そして、この滞在記に最も登場する人物を紹介させてください。Prewanganプレワンアンリーダーであるインポー(Indraインドラ Prayhogiプラヨギ)です。彼とは毎日スタジオで話をしていたので、この滞在記録ではインポーの話がよく登場します。

海辺のカフェ

 毎日利用していた海の目の前にあるカフェです。滞在していたPrewanganプレワンアンから徒歩2、3分で到着します。GoogleMapにはカフェの名前が登録されていましたが、地元の人達は誰も本当の名前は知りませんでした。海を眺めながら、ジャワコーヒーを楽しむことができます。付近には他にもカフェがあるのですが、地元の人達はここが一番おいしいと言っていました。

 ジャワコーヒーは、コーヒー豆を細かく挽いて、インスタントコーヒーのようにそのままお湯を注いで飲みます。フィルターを使わないため、豆が全てカップに残ります。エスプレッソのように濃ゆいジャワコーヒーは、多めの砂糖を入れて飲まれます。このカフェでは、他にも、ジュースやインスタントヌードル、タバコなども購入できます。